ちょこんとまだ世間も
何も知らない顔





…可愛いのか…





そっと頭を撫でた。






犬は嫌いじゃない
ま、興味もないが。






「…やっぱり、写真載せっか「私の絵に何か問題でも」



「…ありません」







子犬はじゃれだす




ゴロンと寝転がり
お腹をさらけ出す




無邪気に



人懐っこい。







「セナ、コイツ可愛い」



「………は?」



「飼いたい」



「や、でも。お前ん家「飼いたい」






やられた




やられてしまった。





この犬にも負けた





あーだこーだ言おう
とするセナを遮る。






「飼いたい」



「じゃあ、どうすんの」



「セナん家で飼え」



「ふざけんな」






可愛い




初めて思った。





自分でもびっくりした






この犬だけで
こんな衝動に襲われるなんて。