鍵を開ける手がもどかしい。
それでも
片手を塞ぐ花束を持っていたあたしは、まだどこかで彼を信じていたのかもしれない。
だけど、心に生まれた疑問は足を踏み出す度に形を変え、大きくなっていって。
プラネタリウムに戻ったあたしは真っ先にカウンター脇に置いてあった段ボールをひっくり返した。
バサバサ、とハガキ…もとい、star letterが散らばる。
だけど目的のハガキが見つからなくて、今度は違う段ボールに手を掛ける。
焦りとは裏腹に、手が震えていた。
見つからないで欲しい、と願った。
どうか、この疑問が気のせいであって欲しい、と。
でも、どこからか湧き出る疑惑があたしを突き動かす。
そして――――。
「…嘘、」
あたしは、見つけてしまった。
天塚さんの、star letter。
だけど、それは
いつもあたし宛てに届いていたstar letterじゃない。
名無しでもなければ
あの、メッセージもなかった。
ただ、他のstar letter同様
アンケートに答え、何ら代わり映えのないハガキだったのだ。