それを聞いたおきちゃんは
カウンターに頬杖をつき、耳元に揺れるピアスを触りながら、ちゃかすように口を開く。
「織葉さんがなかなか会ってくれないから送って来るんじゃないんですかぁ?」
「…そうかなぁ…。」
「絶対そうですって!きっと、会いたい~って意味ですよ!」
うーん、と曖昧にごまかして
あたしはハガキをポケットにしまい、壁に貼られたポスターに視線を置いた。
もうすぐ、七夕来る。
7日は、彼方に会えるかな。
…会えたら、いいな。
ふう、と息を吐き出し
再び仕事を片付けてゆく。
一方のおきちゃんは
隣で大あくびをしながら、今日の来場人数を数え始めた。
2通のstar letterが届いたのは、それから3日後の事。
8通目は…。
――星を、君に届けたい。
そして9通目は、いつもより長く書かれていた。
――知らず知らずの間に、消えてゆく星もあれば
生まれて来る星もある。
…この時。
あたしは、こんな日々がずっと続いてゆくんだと
無邪気なまでに
そう、思っていた。
消えてゆく星。
全てに終わりがある事、わかっていたはずなのに。
最後のstar letter。
それは、七夕の前日…
7月6日にあたしの元へ、届いた。