「…また来たの?」

言いながら、それを受け取り
あたしはふと天塚さんの事を考える。


最近、またstar letterが届くようになった。

これで7通目。


いつものごとく、ハガキをひっくり返せば優しい、あの文字。


――手が届きそうで届かない星は、今日も僕を切なくさせます。




近頃、お互い忙しくて
天塚さんに会っていなかった。

…って言うのは
建前で、あたしはどことなく天塚さんを避けていたのだ。



この胸に芽生えた感情を
彼方への気持ちが、あたしを天塚さんから遠ざけて。

なのに肝心の彼方はあの日以来、また顔を見せなくなった。



…研究、忙しいのかな。




ぼんやりとそれを眺め、そんな事を考えていると

ずいっと顔を寄せて来たおきちゃんが、ハガキを見ながら言った。



「前回は何て来てたんですっけ?」

「…えっと…、」

記憶を巻き戻すように
6通目を頭の中に思い浮かべる。



…そうだ。



――君に、いつか空を埋める程の満天の星を見せたいです。