それから4日後。

あたしはおきちゃんに押される形で、ようやく天塚さんに連絡をする事に。



『まさか本当に掛かって来るとは思わなかった。』

と、電話越しに聞く彼の声は
直接聞く声よりも、ほんの少し低く聞こえた。



次の日から、彼は暇を見つけてはプラネタリウムに足を運んでくれた。



わかった事は、2つ。


毎回高そうなスーツを着こなす天塚さんは、最初に抱いていたイメージとは違い

案外抜けた人だという事。


そして、あたしの3つ年上だという事。



もっと年上かと思っていたから
その事実はあたしの中で親近感を覚えさせた。



そして、心の奥で
“彼をもっと知りたい”という思いが芽生えたのは

天塚さんに初めて食事を誘われた時だった。




「すみません、お待たせしちゃって…、」

「ううん。僕もさっき来たばっかりだから。」


そう言って笑う天塚さんは
「こっち、」とあたしに手招きをし、自分の車へ誘導してくれる。

傷も汚れ一つもないシルバーの乗用車。


車内は綺麗に片付けられ、革の座席は包み込むようにあたしを迎えてくれた。



「吸っても平気?」

と聞かれ、頷いたあたしに
胸ポケットから取り出したタバコに火を点ける天塚さん。


…タバコ、吸うんだ。



彼の事をまた一つ知った。