そんな時
あたしは美島プラネタリウムに出会った。
朧げな思い出と
優しかった陽平の面影に、ズタズタに引き裂かれた心は
星に、救われたんだ。
あの日まで
あたしはずっと泣かなかった。
心は抱えきれない程の痛みを感じていたのに、ずっと泣けなくて。
だけど、降り注ぐような満天の星空を見て、あたしはあの日から初めて涙を零した。
例え、作りモノだとしても
本物の星じゃなくとも
目に映る星空は、あたしを深い闇から救い出してくれたから。
あたしは、まだ笑える。
まだ、大丈夫だと思えたの。
…ねぇ、彼方。
永遠なんてなくても
偽物ばっかりだとしても
あの夜空の向こうの星は
ずっと、あたしたちを照らしてくれているよね。
だからさ
あたしはまた人を好きになってもいいかな?
繋いだ温もりを
信じてみてもいいのかな。
だから、一歩
踏み出してみるよ。
………いいよね?