あたしは昔からそうだ。
自分が選ぶべき道を、いつもどこかで誤ってしまう。
そして後悔するんだ。
あの時、他の選択肢を選んでいればよかった。
あの日、別の道を進むべきだったんじゃないかって。
意のままに、行動していたあの頃。
後悔する事ばかりが増え
難しく考えては、また壁にぶち当たって。
大人になった今でもきっと、あたしは変わってない。
―――いや、変われないんだ。
ザァ、と水飛沫をあげ
車が通り過ぎてゆく。
その音が遠ざかるのを聞き届け、あたしはゆっくり口を開いた。
傘を叩く、大粒の雫。
二人を遮る雨の向こう、悲しい瞳がぶつかる。
「……何してるの。」
思ったよりも冷たい声が出た、と冷静な頭で思った。