と、その時。
「オリ、」と名前を呼ばれ
あたしはその声がした方へと視線を投げた。
「お前さ、ちゃんと輝星投映機点検した?」
彼方だ。
「どうかしたんですかー?」
あたしの代わりに答えたおきちゃんに、彼方は面倒くさそうに頭を掻いた。
「いや、ほら点検用紙にチェックされてないから。」
そう言いながら
彼方がカウンターに置いた用紙を覗き込んだおきちゃんは
「え?あー、本当だぁ!」
と、あたしを見つめる。
あたしは、一つ溜め息を落とし
「ごめん、」と小さく呟いた。
「やっぱり今日の織葉さん、らしくないですよ?」
「…うん、ごめんね。」
「あたしはいいですけど…、」
言いながら、おきちゃんは彼方に目配せをする。
きっと彼方に怒られる。
彼方は、こうゆう事にはすごく厳しいから。
…もう、あたし本当何やってんだろう。
自己嫌悪に陥りそうだ。