もちろん、彦星と織姫は離れ離れになります。
そこで天帝が
「心を入れ替え、懸命に仕事をすると言うのなら1年に1度、7月7日の夜に彦星と会うことを許してやる。」
と、一つの条件を申し渡しました。
織姫にとって彦星と離れて暮らすという事は、身を引き裂かれるようにとても悲しく、涙を流してばかりでした。
けれど天帝に逆らう事など出来ず、彦星に別れを告げると、織姫は天の川の東に帰って行きました。
それから、自分の行いを反省した織姫は年に1度…彦星との再会を励みにしながら
またはた織りに精を出すようになりました。
彦星も織姫と思いは同じで
懸命に働き…7月7日を心待ちにする毎日を過ごしました。
こうして、彦星と織姫は仕事に励みつつ、互いを想いながら
指折り数え7月7日の夜――。
ところが、待ち焦がれた7月7日に雨が降ると、天の川の水かさが増し、織姫は岸を渡ることが出来ません。
2人は天の川の東と西の岸辺にたたずみ、水かさの増した天の川を見つめながら
お互いを想い、会えない切なさに涙を流すのでした。