教室には既にクラスメイトのほとんどが来ている。


「おはよう」と挨拶をしてくるクラスメイトに挨拶を返しながら俺は自分の席につく。


鞄を机に置き、教科書を取り出して机の中に入れていると


「賢、おはよ。」


前から挨拶をする女の声が聞こえてきた。


『!』


顔をあげると、俺の方を向いてにっこり笑っている鈴の姿。


『おはよ。鈴。
今日は早いのな。珍しい。』


机の中に教科書を入れ終え、皮肉を含めて鈴にそう言うと鈴はムッという表情をした。