遅れて愁がやってきた。


「たっくよ−。
置いていくなっつ−の!
誘拐されたらどうすのっ!」


女みたいに口に手を当てそういう愁。
俺は呆れた視線で愁を見る。


『……お前馬鹿だろ』

「なっ!
賢酷い!親友のこの俺を馬鹿だなんて…」


そういう所が馬鹿何だって…


と心で思いつつも口には出さず、愁を無視して俺は教室のドアを開けた。