―4月―


『やだ。帰らない』


『だから、なんでわがまま言うんだよ。また前の繰り返しか?』


『違うよ。一緒にいたいだけだよ…。佑斗は私と一緒にいたくないの?』


『ちげーよ』


『だったらなに?』


『また夢をダメにするのか?俺は詩音といると詩音ばっかになって集中できねーんだよ』



『そんなん佑斗が悪いよ。私だってやらなきゃいけないこと佑斗といてもちゃんとやってんじゃん。作詞だってレコーディングだって』


『俺はそんな両立出来る程、器用じゃねーんだよ…』


『出来ないとかじゃなくて、すればいーんだよ』


『…はぁ…。めんどくさい』


『めんどいとか言うんだったら、もういいよ』


『なんでわかんねーんだよ』



バキッ…!