僕の手の平に重なってアスファルトにできた影が
少しだけ涼しく感じた

スイスイ泳ぐあの岩雲は
大きな影をつくって僕のそれに覆い被さった



これからどこに行くの?

風と一緒に君は

ゆっくり
ゆっくり

仲いいんだね



そっちの方はきっと
あの子がいる方だから

「ねぇ雲さん

僕の代わりに
髪を
頬を。
撫でてあげて下さい。」


きっと君には

届くことがないから