神社で手を合わせた後は、相国寺を通って大学に行くのが日課だった。


初めて彼と会って以来、それが2人での日課に変わっただけで、桜を眺めながら登校する私の生活にとって大した変化ではなかった。

ただ、いまだに彼の存在は謎でしかなかった。『潤也』という名前で同じ大学。それ以上のことは知らない。

毎日他愛もない世間話をするだけだった。