授業の終わりを知らせるチャイムが教室に響いた

授業終了の号令がかかると同時に

教室が騒がしくなった

午前中の授業がようやく終わり

お昼の時間になったのだ

みんなの声でやっと将太は顔を上げた

大きく伸びをして

二、三度、首をならした

そして急に立ち上がり

飯だー!!!と叫ぶと友達の方を向きざわめきに参加した

その一連の動作を眺めた後

私は真美に呼ばれ自分のお弁当をも持ち

真美の机に駆け寄った

「奈緒はいっつも起きるまで田辺くんのこと見てるよねー」

お弁当を手提げの袋から出しながら真美が言った

「だって面白いんだもん」

「確かに」

真美と私はフッと笑った

少しの間、笑った後

私はお弁当のフタを開けた

「うわーやっぱり奈緒のはおいしそうだ」

真美が自分のお弁当を開け見比べながら言った

「でも今日は野菜だらけだよー」

そう言って私が謙遜すると

今日は私、野菜な気分なの

と言って、私のお弁当をつまみ食いした

おいしーっと真美が幸せそうな顔をした後

また二人で笑いあった