私はその机を少し整頓しながら横で眠っている樹を見つめた

まつげが長い

顔は真っ黒なのにユニフォームデカくれている腕は白くて

指は長くてとても綺麗

爪は綺麗に切りそろえられている

こんな手からあの球が投げられているなんて、腕だけ見たら誰も信じてくれないだろう

そんなことを思っているうちに5分はあっと言う間に過ぎて

私はまた緊張した

「樹…?」

小さな声で呼んでみたが反応はやはりない

「おーい…起きて」

いつものバカでかい声が嘘みたいに出なくなっていた

どうしたらいいのだろう?

揺すって起こして

布団を無理矢理剥がす

やることはわかっているのにやり方がわからない

いや、やり方もわかってる

やる勇気がないだけだった

時計を見るとまたさらに5分、時間が経っていた

このままじゃ、樹が遅刻をする

私は大きく深呼吸をして樹の肩に手をおいた

「樹!朝だよ、起きて!」

私が揺すると樹が珍しく飛び起きた

「…おはよ」

目を擦りなが言った

「あ。おっおはよ」

「んー!!!今日はいい天気?」

伸びをしながら樹が私に聞いた

「ぁ、うん!」