「ヘタだけど別に普通はこれくらいじゃん?」

言うまでもなく、将太はまた殴られた

うずくまる将太をほって、私のお守りとミサンガ渡しは続いた

みんなもらうとすぐに鞄につけたり、腕につけてくれた

作ってよかった

私はうれしくなった

樹の番がくる

「はい!明日から頑張ってね!」

なぜか樹は受け取らずにそこに立ち続けた

「…いらない…?」

「いる。」

「じゃぁ…受け取ってよ。」

「やだ。」

意味が分からない

「なんで?」

「『頑張ってね』じゃなくて、『頑張ろう』だろ?お前は俺らと一緒にベンチに入るんだ。選手と一緒に戦ってくれないなら、受け取れない」

樹が少し俯きながら話した

そうだ。私も樹たちと一緒にベンチに入るんだ

一緒に戦う。彼らの力になるんだ

その私が頑張ってねなんて他人ごとじゃいけない

私ははっとして、樹に言い直した

「そうだね。私も頑張らなきゃ。一緒に頑張ろうね?」

私がそう樹に言うと樹は顔を上げ、おぅ!と返事をしながら、お守りとミサンガを受け取ってくれた