「あー。はいはい」

私はわざとらしく返事をした

「だって、樹じゃなくて俺のファンだって言うんだぜ?しかも超かわいい!」

「のろけ話は結構ですー。」

私が真美の所へ戻ろうとすると、将太はちょっと待てと私の腕をつかみ、放さなかった

結局、壮行会の間、私はずっと将太の話に付き合わされた

長い長い壮行会がやっと終わった

まだ話したりなそうな将太だったが、渋々、私を解放してくれた

真美の所へ駆け寄る

「はぁ…」

「何?どうしたの?」

「将太ののろけ話に付き合わされた…」

「え!?田辺君、彼女いるの??」

真美が目を丸くする

私はさっき聞かされた馴れ初めを真美に話した

「へー!でも意外だな。私、田辺君と奈緒は付き合うんだと思ってた。」

びっくりしすぎて動揺した

「なっなんで!?」

真美が不敵にニヤリと笑う

「幼なじみが付き合うってドラマでよく見るじゃない?」

「そんなの起こるわけないじゃない!ドラマはドラマ!私と将太は恋愛対象外!」

私が少し呆れたように言うと真美はまだニヤニヤしながら、はいはい。と返事をした