あの日から何度か同じようなことが起こったが、私はもう決して泣くことはなかった

私をわかってくれている人がいる

その存在に気づけたことはかなり大きかった

それともう一つ

「あんたは、そんなくだらない理由で、野球部のマネージャーできると思ってんの?毎朝、暗いうちから起きて、泥だらけになりながら裏方に徹して、日焼け止めなんて、塗る暇もなく動き回って。夏休みなんて1日だってないのよ?そんな辛い練習したって、絶対に表に出ないし、挙げ句の果てに、あんたたちみたいなのに、ネチネチ言われる。そんな役をしなきゃいけないのに、マネージャーやってる理由が男目当てなんてあり得ると思ってんの?」

真美が興奮気味に知らない女の子を怒鳴り散らした

「あんたには関係ないじゃないっ」

と小さい声で言うとその子は、少し恥ずかしそうに帰っていってしまった

「あんたよりは関係あるわよ」

独り言を言った真美はくるっと私の方を向いた

「全く…」

言い足りなかったのかまだブツブツと話していた

「真美、ありがとう…でも、あれは言い過ぎだよ…私、そんなに大変だと思わないし…」

少し照れながら真美に言った