「まず、水を作る人がいなくて、一大事だったんだぞ!毎日、奈緒が作ってるから、他のマネジ、誰も気づかなくてさ!!!」

「そうそう!そんで1、2年のマネジあんな使えなかったっけ?って思うぐらいテンパってて何もできなくってさ!やっぱり奈緒が後輩に指示出さないと、うまく動けないらしいよ」

将太と樹がまだ何も話していない私を説得し始めた

将太が鼻の頭をかきながら口を開く

「俺らも、奈緒いないとダメだな。って思った。」

樹も真っ暗な空を見上げながら言う

「奈緒ありきの野球部だなって思うよ。やっぱり奈緒はピッチャーや四番と同じぐらい大事なとこを占めてるんだなって。再認識した。だから今まで、一緒の夢持ってずっとやってきた俺ら置いて、辞めるなんて絶対言うなよ?奈緒が居なきゃ甲子園は無理だぞ!」

まぁ、ピッチャー大事って自分で言うのもなんだけどな!っと照れ隠しに樹が笑った

涙がまたこぼれた

私が抱えた不安も悔しさも一瞬でほどけた

野球に対する熱意、甲子園へのあこがれを胸に今まで動いていた私を

彼らはしっかりと見ていてくれたんだ

みんなわかっていてくれたんだ