「じゃぁ、奈緒、またなー」

「うん。授業寝ないようにねー」

樹は適当に返事をして三年二組の教室に入っていった

私と樹は違うクラスだ

私は七組

まだまだ教室は先にある

「奈緒」

「あ。将太。今日は着替えるのはやかったね」

将太が私の隣まで走ってくる

部活を終えて着替えたばかりなのにもう、汗びっしょりだった

「はい、これで拭きなよ、汗」

バッグからタオルを出して渡した

サンキューと言いながらタオルに顔を埋めたと思ったら

タオルを拭い去り私に突き出した

「このタオル若干、濡れてるんだけど?」

「あー!私がさっき汗拭いたからだよ」

将太があからさまに嫌そうな顔をする

「ちっちゃい頃は一緒にお風呂に入ってたくせに何よー!!!」

と怒ってみせると将太はウソウソと言いながらなだめるように笑った