それから何時間たったのだろう

頭がガンガンと痛む

まだ枯れない涙は、私の視界をあやふやにした

鼻は完全に詰まり

すすると大きな音が鳴るが通りはしなかった

全身をけだるさがまとわりついて

思考能力がほとんどないに等しい

今、何時なのだろう?

換気用の小さな窓を見るが、何時かどうか予想する力すら残っていない

私はしゃがみ込みただ溢れる涙を拭っていた

すると、急にトイレのドアが開く音がした

ゆっくりとそちらに顔を向けるとそこには樹が立っていた

「やっと見つけた…」

樹が大きく息をついた

「なしたの?」

少し息を整えた樹が私に聞いた

さっきのつらさ、悔しさがまた一気に涙として溢れ出す

私は声を上げて泣き出してしまった

「どした?泣くなよー」

樹はそう言いながら、しゃがみ、私の顔をのぞき込みながら、頭を撫でた

ゴツゴツした大きな手で優しく撫でてくれた

「よしよし。もう泣くな。な?そんで、とりあえず、場所変えるよ?ここに俺がずっといるのはマズすぎる…。さ、立って」

樹は私の鞄と、私の腕を持って立ち上がり、女子トイレを出た