「格好いい=好きって奈緒の恋の方程式は簡単ですね」

真美が笑いながら言った

「まぁ、私もそうだけど!」

「じゃぁやっぱり好きってこと!?」

私が興奮気味に聞くと逆に真美はより冷静に話した

「彼の格好いいところは、有名人になった今でも、変わらず堅実で真面目でいるってとこ。性格が格好いいとか容姿が格好いいとかじゃなくて、その心意気が好きって言うか、まぁ、とりあえず恋にはならない好きなの。ラブじゃなくてライクなの。わかる?」

「うん」

私も冷静になって答えた

「しかも、山部樹ファンは数え切れないほどいるんだよ?全国に!まず倍率的に、勝負にいかないなー。私はきっと!」

「確かに倍率は高そうだね…」

私はうなずくしかなかった

「奈緒、いってみたら?」

真美が茶化すように言った

「狙えるかなー?」

私が話にノる真美がえーっと言いながら笑った