「真美ー聞いてってば!」

「やだよ」

真美は冷たく突き放すように言った

私がどんなに悲しい顔を作っても、聞こうとはしてくれなかった

「どうして聞いてくれないの?」

夢の話に入る前にまずそこからだ

「だって私、野球よくわかんないしー」

真美がようやく私の話を聞いた

「じゃぁ、私が教えてあげるよ!」

真美がすかさず、首を横に振った

「前もやだって言ったじゃん!しかも奈緒の説明すごい細かいし」

「細かい方が分かりやすくていいじゃない!」

真美がしかめっ面をした

「初めてからあんなに難しい話をされたら嫌いになるって」

「真美が野球に興味ないのって私のせい!?」

顔を曇らせる私を見て真美は急いでフォローをした

「い、いや!元からあんまり好きじゃないっていうか、野球よりもサッカー派っていうか…あ。でも、野球部には興味あるよ!」

私が不思議そうな顔をしていると真美は続けた

「山部樹、彼、やっぱりかなりかっこいいよね」

意外な言葉に一瞬言葉を失った

「…好きなの!?」

あからさまに驚いている私を見て真美はげらげらと笑った