「じゃぁ、いつもの所で待ってるね」

私はタラタラ歩いていた将太の後ろに回り背中を押しながら樹に言った

少し後ろにいる樹はすぐ行くと言った

私と将太が樹から離れると人影は樹が校門まで来るのも待ちきれず私たちの横を通り過ぎていった

その中の数人は私を物色するように見てから通り過ぎる

毎日のように行われる動作

私は未だこれになれない

彼女たちと目が合わないように私はうつむきながら将太を押した

学校を出て家の方向に三分程行くといつもの所がある

私たちは樹を待つためにいつもこの小さな公園を利用する

「よっこいしょー」

将太がおっさんみたいなかけ声を出してベンチにどっかり座った

私は将太の隣に荷物を置きブランコに乗った

ブランコの揺れに合わせて足を動かした

ブランコは大きく揺れた

「パンツ見えるぞー」

見る気もないような口調で将太が言った

「学校のハーフパンツ履いてるから大丈夫」

私はさらにブランコを漕いだ

「色気ねぇなー」

「おかげさまで」

ブランコが前にせり出したときふと小さな頃の記憶を思い出し、手を離し私はブランコから飛び降りた