「っした!!!」

グラウンドを照らすライトの元、部員が大きな声で言い、頭を下げた

きれいに並んでいた部員が動き出した

私もそれにつられて動く

鞄と日が暮れてから外していた麦わら帽子

タンクとコップを持ってヨタヨタと歩きだした

「持とうか?」

汗を拭いながら樹が話しかけた

「なんのこれしき」

私は笑顔でそう言うと止まらずに歩き続けた

入ったところで、私は全てのものをとりあえず置いた

電気をつけるといつも通り誰もいない

部員みんなからの配慮だ

私が最後にタンクとコップを部室で洗うので、部室を着替えで使わないようにしてくれているのだ

私はふぅっと声に出して言うと

タンクとコップを洗い、そして元あった場所に戻した

麦わら帽子は明日も使いそうなのでタンクの上に置いた

私は自分のバッグを手繰り寄せ、タオルで顔を拭いた

やっと全ての仕事をやり終えて充実感に浸っていると

外で樹と将太がしゃべっている声が聞こえた

もう少しゆっくりしていたかったが、そうも言っていられない

私は着替えに行動を移した

着替えている間、聞こえてくる樹たちの会話に耳を傾けた