お昼ご飯を食べた後にこの先生はキツい

ゆっくりとしたしゃべり方に、少し低い良い声

生徒にこれで起きていろというのは拷問だ

中には不戦敗の人もいるが半分以上の生徒が眠気との戦いに敗れ倒れ込んでいく

私は、あと一歩のところで持ち堪えていた

意識が朦朧とする中、横を見ると

少し暑いのか、汗ばみながら眠っている将太がいた

少し口が開いていて、その顔が面白かったので笑ってしまい、眠気が吹き飛んだ

ゆったりとしたペースで進む授業のノートをとるのに飽きた私は

机の上に散らばった、消しゴムのカスを拾い上げ

将太の口をストライクゾーンに見立てて、投球練習をしてみた

時々、顔には当たるものの口の中には当然、入らなかった

一人遊びに飽きた私は外を見た

樹なら入るのだろうな、とグラウンドを見ながらふと思った

グラウンドでは、どこかのクラスが体育をやっていた

ソフトボールだろうか、白いボールが飛び交う

青空に舞う白いボール

私はそれを見るのが大好きだった

授業を忘れ、私はその姿を見つめた