そう、



あの時雷の音がすごかったんだ。



耳をふさぎたくなるようなすごい音だった。



『臨時速報です!』



ニュース番組に興味はなかったけど、アナウンサーの人がなにか珍獣でも見つけたような、そんな顔をしていたから私はついテレビの画面を見たんだ。



「まぁ、何かしらね……」



『たった今、中学生の女子生徒が刃物で刺され……』



言い終わる間もなく、家の電話がなった。



「えぇ………侑が……。えぇ……」



お母さんは泣いていたが、必死で対応していた。



私にはイマイチ分かっていなかった。



いや、分かりたくなかったんだ。



『くり返します。中学生の女子生徒が刃物で刺されるという事件がありました。



被害者は尊 侑さん、15歳。病院で治療中です……』