「今回の不祥事は、本校、 始まって以来の事ですよ。(怒)」 「申し訳ございません。」 私は、理事長に謝罪した。 ことの発端は、 1冊の週刊誌だった。 校外での暴力事件が、 記事になったのだ。 その事件の首謀者が、 私のクラスにいたのだ。 「こういう事件が起きる前に、 担任の大野先生が、気付くべきでは、 ありませんか?」 「すみませんでした。」 再度、私は、 謝罪の言葉を繰り返した。 「路頭に迷っていた貴方を、雇った私の身にもなってください。」 「でしたら、契約を打ち切っていただいても、けっこうです。」