バタンッー



その時


思いっきりドアが開く音と共に



「舞華ー!!!」


私を呼ぶ渚の声



私は涙で映らない視界を音のする方へ視線をやった。



渚が入ってきた時


かすかに聞こえた


“よかった”



と言う渡部先輩の小さな声



これにどんな意味がこもっていたかなんて


この時の私は考える事さえ出来なかった。