「淋しいな、」
「・・・・何が?」
「みーちゃんが居れば、淋しくなくなるかと思ったのに。」
この人も、
やっぱり私と同じなんだ。
・・・・・淋しいんだ。
「じゃー、どうすればいいの?」
「・・・・こうすればええよ。」
そう言って、その人は唇を重ねた。
私は、されるがままに体を委ねた。
・・・私も、淋しかったんだ。
淋しくて、
淋しくて、
仕方なかった。
こんなに、痛みのある行為は初めてだった。
体の痛みとかじゃない。
胸が苦しくて。
苦しくて。
痛みが伝わってきたから。
行為ってね、
愛を確認するためにするんだ、
って思ってた。
でもね、
「好き」
とか
「愛してる」
とか
一度も聞こえなかったんだ。
ただ、
「名前・・・呼んで・・・」
って悲しく言われたから。
「ナオ」
って呼んだんだ。
何も知らないよ。
この人の事は何も。
でも、
この日から、私の中でこの人は、ナオになった。