それから、何度も屋上には行ったけど、その人の姿を見る事はなかった。


すれ違う事もなく。


あれは夢だったんじゃないか。


とも思い始めていた。


けれど、あの人に会わなくても、私には何も変わりはなく、
支障もなかった。


当たり前だけど。

でも、

あの瞳だけ、

何故か忘れられない。


「みーお昼食べよう、」


「あー、うん。」


あの人は今。
あの瞳で、
何を見ているのだろうか。



(暇、)


その日も当たり前のように、
面倒臭いから学校をサボった。


「みー、ちゃん。」


私の周りに居る人しか使わないあだ名。


その声に反応して振り返る。


「ぁ・・・」


この前のあの人だった。


「久し振り♪」


その人は少し低めの位置で手を振り、笑っていた。


「学校サボっちゃあかんやん?」

何故か私は、その人の家に居た。窓を全開にして、時々当たる風が心地いい。


何でここに居るかも分からない。

分からないとゆうか、どうでもよかった。


ただ、寂しかっ、たのかも。


そっちこそ。


そう言いかけて止めた。