ナオの中に、一番はない。
きっと。
“私はナオの何?”
そう聞けばきっと。
“みーはみーだよ。”
そんな答えが返ってくるんだ。
知ってたんだよ、ナオ。
ナオの家に行くとね。
他の誰かの爪痕が残ってる。
髪の毛。
香り。
ピアス。
シンクに置かれたグラスに残る口紅。
あげればキリのないほど。
それでもいいと、目を伏せていたのは誰?
他でもない、
私だ。
…そしてきっと、これからも。
“私とコイツ、どっち選ぶの”
“どっちって・・・・”
『両方に決まってるやろ。』
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