「翼ちゃん……も、かわい……」

「……しねばいい」

「翼ちゃんが俺にちゃんと好きって言ってくれるまで死ねないなー……」



笑いまじりにそんなこと言ってくる。

すでに面白がっているその態度に少しイラついた。

なめるな。

言うのが恥ずかしいだけだぞあたしは。



「ちょ……離せ」

「……あれ、怒った?」



できるだけ冷たく言うと、すぐに離す。



「怒ってるー?」



あたしの顔を確認するように覗き込むから、メガネを取ってやった。

そして、「え」とマヌケな声を発するその口に。




自分の唇を。