――階段も上がってしばらく走りつづけて、やっと人がいなくなった、と足を止めた。

だけど。



「つ……翼ちゃん、足、はや……っ」



この茶髪はついてきたみたいだ。

ハアハアと膝に手をついてへばっている。



「……なんで付いてくんだ」



あたしがそう言えば、顔をあげて苦笑いを見せる。



「え……なにそれひどいー……だってまだ話途中……てかまだ翼ちゃんから直接好きって言ってもらってないし」

「……いつ誰がオマエのこと好きって言った」



そうすると今度は「えぇー……」と不満げな表情。