――階段も上がってしばらく走りつづけて、やっと人がいなくなった、と足を止めた。
だけど。
「つ……翼ちゃん、足、はや……っ」
この茶髪はついてきたみたいだ。
ハアハアと膝に手をついてへばっている。
「……なんで付いてくんだ」
あたしがそう言えば、顔をあげて苦笑いを見せる。
「え……なにそれひどいー……だってまだ話途中……てかまだ翼ちゃんから直接好きって言ってもらってないし」
「……いつ誰がオマエのこと好きって言った」
そうすると今度は「えぇー……」と不満げな表情。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…