下駄箱に着いて、靴を取ろうと伸ばした手を誰かに握られた。 驚いて振り返ろうとしたら、背中からきつく抱きしめられて動けなくなる。 顔は見えないけど。 視界のはしに茶色の髪。 あたしよりずっと高い背。 何より、久しぶりの感覚。 「……ンだよ、バ会長」 わからないはずが、ない。