――。
藤岡くんのあぐらの上に座って、首にかかったネックレスを見つめてにやけるあたし。
背中に藤岡くんの体温を感じてあったかい。
「そういえば……なんでウサギなの?」
「あ? だってオマエ似てんだろ」
「ウサギに!?」
迷うこともなくうなずく藤岡くん。
……あたし、ウサギかぁ……。
「……藤岡くんは、オオカミっぽいけどね」
人を威嚇する態度とか、ちょっと乱暴なところとか。
それに、一匹狼さんだったし!!
「オオカミ……」
「うん。ぴったりだよ」
「へぇ」とつぶやいて、あの意地悪な笑みを見せる。
そしてふっと耳に息をかけられて、
「じゃ……ウサギのお前は喰われとくか?」
「!!」
からかいを交えた声で甘くささやかれた。
どうやら、クラスの凶暴な一匹狼くんは
あたしの前では、少し意地悪なただのオオカミになるみたいです――。
【END】