「階段上がって、左の……奥」
藤岡くんの部屋のドアの前に立つ。
白石絢、今から藤岡くんの聖地へ足を踏み入れます。
「……よしっ」
ドキドキする心臓をおさえながらドアの取っ手に手をかけて、勢いよく開いた。
目の前に広がる藤岡くんの部屋は、黒っぽいた藤岡くんらしい色の部屋。
あんまり広くないけど、それがまたいいカンジ。
「わ……わわー……!!」
あからさまに感動しながら後ろ手でドアを閉めて、立ち尽くす。
だってどこに座ればいいのかわからない。
部屋の真ん中に小さい机あるから、その周りにでも座っとけばいいのかなぁ。
それともベッドの上とか?