「斎が絢ンこと汚したら俺、斎ツブしてまうかもー?」
「だから……テメェ等はなんでそういう方向にしか思考働かねぇんだよ」
「やって初恋の女の子やもん。ずっと無知な妖精でいてほしいんやもーん」
「……オマエは本当に気持ち悪ぃな」
呆れたようにため息をつく藤岡くんをカラカラ笑う。
あたしのなかの危険信号が点滅し始める。
藤岡くんのイライラがたまっていってるみたい。
それでも篁くんは笑って、最後に藤岡くんの肩をたたいて言った。
「まあでも、それも斎やったらええか」
そしてあたしと藤岡くんに「がんばってなー!!」と意図不明の応援を残して、
仕事の時間に遅れそうなのか、バタバタとあわてて教室を出て行った。