そして、痛いくらい顎をあげられて。




あ、篁くんの顔が見えた。




と思った瞬間。





「ま、楽しんできてな」





チュッとわざとらしい音をたてて、おでこにキスをされた。




篁くんの唇が離れたと同時、あたしはおでこを隠す。

もう遅いけど。




「な……ななんで……」

「でこちゅーは友情の証や」

「……あ、それ知ってるっ。キスの格言……だっけ?」

「正解!!」




篁くんは無邪気に笑って、あずけるようにあたしを藤岡くんのほうに押す。