――放課後。
赤点なかったから、今日は安心してクリスマスパーティーに臨めます!!
ウキウキしながら鞄に荷物つめてると、翼が不思議そうにあたしを見てきた。
「どした絢。ごきげんだなー」
「えへへー。今から藤岡くんの家でパーティーなのー」
「……何ッ!?」
そう聞いたやいなや、翼は藤岡くんを睨みつける。
「……コイツん家でか?」
「? うん!!」
あたしがうなずくと、翼は藤岡くんに近づいて学ランの襟あたりをつかんだ。
そして不良のガンの飛ばし合いみたいに顔近づけて睨み合うふたり。
「藤岡……オマエ絢にヘンなことしたりしたらぶっ殺してやるかんな……?」
「あ?……しねぇよ。つーかテメェはコイツの保護者か」
「絢はあたしの可愛い妹だ。よーく覚えとけ」
翼はそう言って意地悪く笑うと、藤岡くんに軽く頭突きをかましてから離れた。
イスに座り直すと、真剣な顔してあたしを指差す。
「時々気をつけつつ楽しんでこいよ」
なにかの忠告のようなその言葉に、
「……う、うん?」
あたしは首をかしげつつうなずいた。