そうしてあたしが上機嫌の藤岡くんの笑顔を堪能していると、
「絢、絢、あーやーッ!!」
教室の前のほうから、あたしを呼ぶ声。
そっちに目をむけると篁くんが今返されたのであろう自分の解答用紙をかかげていた。
「赤点なかったでーっ!!」
そう叫んで、本気で嬉しそうな笑顔でこっちに駆け寄ってくる。
「篁くんも赤点なし?」
「絢も!? よかったなぁ!!」
「うんっ」
手を取り合って喜ぶあたしたち。
こんなに喜んでるの、たぶんあたしたちぐらいかもしれない。
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