突然の愛情表現に、あたしも藤岡くんも驚きを隠せない。
でもそんなのかまわずに藤岡くんにひっついて泣く篁くん。
「なんやもー早く言ってや!! 俺ずっと斎に嫌われた思てたんやでー!!」
「あ? ひとりで勝手に何でも決めやがったオマエにムカついただけで別に嫌ってなんかねぇよ。
……つか離せ気持ち悪い」
藤岡くんは篁くんを引き剥がそうとするけど、感極まっちゃってるみたいでなかなか離れない。
「それにせっかくまた会えてんのに、俺には悪態ついてばかりで話してくれへんかったし……」
「あれは……」
すると、藤岡くんはあたしをチラッと見やる。
あたし? と首をかしげると、頭をつかまれた。
「オマエがコイツのこと好きとか言ってくっから、それにもムカついただけ」
そして、そのまま頭をぐりぐりと撫でられた。