「予想では理由も言わんで消える俺に対する文句やと思ってんけど」

「……ちげぇ」

「へぇ、じゃあ、なんやった?

『俺はオマエを――』の続きや」




篁くんの問いに、藤岡くんは一瞬言葉をつまらせた。




「あー……クソ。笑うなよ」

「なに、そない笑えること言おう思てたん? 大丈夫、笑わん笑わん」




眉間にシワをよせて言いにくそうに、それでもぎこちなく口を開く。






「俺はオマエを……

親友だと、思ってた」






ボソッと小さく、つぶやくような声だったけど。




“親友”




その言葉は、静かな廊下によく響いた。