「ゲホッ、コホッ……!!」
咳き込んでよろめく篁くんの肩をつかんで支える藤岡くんの顔は、怒ってるっていうよりどこかつらそう。
落ち着いた篁くんは、藤岡くんを睨んだ。
「わかっとるわ。あん時から、俺らは仲間じゃなくなったんやろ?」
「……そうだな」
藤岡くんがそう言うと同時、篁くんが藤岡くんの体を突き飛ばす。
「ならもう関わんなや!!
絢にもフラれたことやし、斎と話すことなんて何もあらへんやろ!?」
――どうしよう。
自分が大好きなふたりがケンカしているのに。
話の内容もわからなくて、あたしはどうすればいいのかわからなくてただ立っているだけで。
何もできない自分がなぜかすごく悲しくなって。