突然の大声に驚いて向かいに座る篁くんを見ると、あたしたちをにらんでる。
持っているシャーペンは握りつぶされてぐちゃぐちゃ。
……握力いくつなんだろう。
「うぜぇ……何」
「何やないって!! なんなん、フラれて傷心中の俺に見せつけたいんか!?」
「何言ってんのかわかんねー」
言い争いを始めるふたりに、図書室にいた人たちの殺気めいた視線が集まる。
テスト前の図書室はピリピリとした人がたくさんいるんだ。
篁くんが怒っている理由はわかんないけどこれ以上は危ない……!!
「藤岡くん篁くん、出よう!!」
そう言ってあたしが立ち上がると、ふたりとも周りの様子に気づいたようで、口を閉じて荷物をまとめ始めた。