そのまま、手のひらを合わせられた。
「ほら櫂さん見てみぃ、俺のがデカいししっかりしとるやろ!!」
「女の子と張り合うなや。見苦しいでモヤシっ子」
「うわ、何てこと言うねん櫂さんのアホ!! ドエス!!」
合わさった指は、ちょっとだけ篁くんの長い。
手のひらは、ちょっとだけ篁くんのほうが大きい。
ちょっとだけ、だ。
「絢見たかー? 俺のがデカいでー」
「……」
「……絢? どしたん?」
手を見つめたまま無言になったあたしを覗き込んでくる。
少しだけ笑みが洩れてしまった。
だって……ちょっと嬉しい。
「藤岡くんって……手、おっきいんだね……」
藤岡くんのゴツゴツして骨ばった手、
身長は同じなのに、篁くんよりずっと大きいなんて。