あたしが数回目をしばたかせると、櫂さんは苦笑しながら交互に自分と篁くんを指差した。
「いまのシュンのポジション、まんま俺やんか」
……ああ!!
説明されたあたしはやっと理解して、うなずく。
そしたら櫂さんも微笑みながら同じようにうなずいてくれた。
「せやから経験者として言うとくけど」
あたしの両肩に手をおいて、あたしを覗きこむように櫂さんが背中を丸める。
同じ目線になって、櫂さんの顔が近くなった。
「シュンのこと傷つけたくないんやったら、早めにフってやってな」
それは、いつもより低い声で。
目の前の櫂さんの茶色い瞳が、真剣なんだって訴えてた。