――すごく、不思議。
あたしの視線の先には、ビシッとスーツを着こなした大人の女のひとと、篁くん。
「中村香織と申します。今日はよろしくお願いします」
「中村さん……香織さんでいいですか? 綺麗な御名前ですね」
「え……あ、はい、なんとでも!!」
……あの後、ムリヤリと言っていいほど強引にココに連れてこられて。
そしてただいまあたしはインタビューを始めた篁くんを櫂さんと少し離れたソファーから見ている。
用意されていた衣装に着替えて、あたしの知らないひとと標準語で話す篁くんは別人みたいで、
なんだかすごく不思議な気分。
「シュンさんは高校生ということですけど、彼女とかはいないんですかー?」
「あはは、いればいいんですけどねー。香織さんみたいな美人な彼女とか憧れますし」
しかも……なぜかわからないけど、女の人の扱いに慣れてるみたい。