「うわッ!!?」

「きゃッ……!?」




バランスがくずれたのは一瞬で、次の瞬間にはあたたかい何かにぶつかった。




「び……びびったわ……」




やっぱり誰かにぶつかっちゃったらしい。

その声が、藤岡くんじゃないことに少し安心しつつ、そのひとの顔を見上げる。





「すまんなぁ、確認せんで開けてもーて。平気かー?」





同じクラスのひととかじゃなかった。




その明るい茶色の藤岡くんみたいな短い髪したお兄さんは、

すごく優しそうな笑顔であたしを見下ろしていた。